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「派遣切り」問題の本質

2008年10月のリーマンショック以降、世界経済の悪化による、特に、自動車産業関連の雇用調整が始まり、「派遣切り」として、契約社員の雇用問題が、クローズアップされています。

マスコミの風潮を見ると、一方的に、企業側が悪いような言い方をしていますが、問題の本質について取り上げているニュース解説は、まだお目に掛かっていませんので、ちょっと、問題の本質の部分についてお話したいと思います。

日本の労働者は、世界的に見ても、大変珍しい、非常に、雇用者側に不利な偏務契約の雇用契約によって守られています。

それは、戦前、雇用契約が、雇用者側の一方的な押し付けが、まかり通っていて、労働者(農民を含む)に、非常に不利であった現実があった為に、戦後できた、「労働基準法」では、雇用者が、労働者を解雇する権利を奪ってしまったのです。

労働基準法第18条の2で、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効とする。」とし、同条が、労働契約法第16条に引き継がれています。

つまり、労働者には、会社を辞める権利はあるのですが、会社には、労働者を解雇する権利がないのです。

このことは、終身雇用制を基本とする日本の社会には、なじみましたし、右肩上がりに企業が成長していた時代には、それで良かったのです。

しかし、1990年以降、不況が訪れて、雇用調整を迫られる場面が起きて、「リストラ」と言われる方法で、正社員の雇用調整がなされました。

その後、景気が回復した際には、再度、人手が足りなくなり、労働者を増やす必要に迫られましたが、原則として、正社員として雇えば、解雇する権利を失うので、規制緩和の代物と言われていますが、労働契約法が新たに作られ、「期間の定めのある労働契約」の項目が付け加えられ、企業は、「期間の定めのある労働契約」で人員を採用することを好むようになったのです。

労働基準法で、守られている正社員は、雇用者側からすると契約の解除が出来ない労働者に当たり、そのしわ寄せが、派遣労働者に及んで、社会問題化しているわけです。

どんな産業においても、雇用調整が必要な時があります私が働いている会社でも、4000人を超える社員がいましたが、今では、相次ぐリストラの結果、1500人になっていますが、「ここまでやるか!」と思われるくらい、毎年、リストラが行われてきました。

リストラ」においては、労働者が、自ら「辞める」と言わなければ、会社は、辞めさせることは出来ません。その為、色々な手段が使われたことは、ご存知の通りだと思います。

正社員よりも、優秀な派遣社員も、結構いるはずです。会社としても、派遣社員を残して、正社員を解雇したいということもあると思います。

しかし、正社員は、既得権として、辞めさせられない権利を持っているために、雇用調整は、派遣社員の方々に、最初に、そのしわ寄せが行くことになるのです。

私は、世界的に見ても、これだけ労働者の権利が強い国は、少ないと思います。もう、すでに戦前のような、「解雇権の濫用」をするような企業は、そんなにないはずですので、雇用者の解雇権を復活させて、雇用者と被雇用者が対等な条件での労働契約を結んでもいいのではないか?と思っています。

そうすれば、派遣労働者も正社員と同じ土俵に上がることが出来て、今、クローズアップされている派遣労働者に不利な状況も改善されるのではないかと思います。

一般企業では、かなりの雇用調整がされていて、もうぎりぎりまで、正社員を絞っているはずです。それが、なされていないのが、公務員や準公務員です。行政改革に取り組むとか言っていますが、人員をたらい回しにしているだけで、一番、厳しい雇用調整から、逃れて、ぬるま湯の中にいるのが、公務員で、公務員のリストラなんて聞いたことがありません。無駄な人員がたくさんいても、給料は、税金で払うのですから、自分たちでリストラなどするはずがありません。

「派遣労働者が、可哀想だ」という論調を展開するくらいなら、小泉元首相がしたように、既得権益を打ち破って、「同じ土俵で、働ける社会を目指すようにしよう」というような論調を展開するマスコミがあってもいいのではないかと思っています。
                                              (記 : 2008年12月14日)

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