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2011年6月、長崎大学の山下教授が、科学的な見地から、低線量被爆について発言していることに関して、複数の団体が、彼の解任要求を求める署名活動をしていると聞けば、これを放っておいていいわけはなく、コラムとして、アップした次第です。 私もかつて、「原爆投下直後の広島に似ている?」でも取上げましたが、低線量被爆は、高線量被爆とは違って、人体に与える影響が、大きく違うということを、多くの国民は、正しく理解していないのではないか?と思います。 6月22日に開かれた、「福島第一原発事故による放射線の健康への影響を巡る公開討論会」でも、低い放射線量を長期間浴び続けた場合の健康への被害は、「データがなく、健康への影響は、明確ではない」というのが、専門家の意見でした。 明確ではない健康への影響ですが、その捉え方は、大きく違います。「明確ではないが、浴びない方が良い」という専門家と、「明確な影響がないのに、神経質になり過ぎ」という専門家です。 山下教授は、後者の方ですが、「怖い存在」になっている放射線を、「軽んじている」と受け取る人が、科学的な根拠を持って語っている人を駆逐するような行動を起こしているという現実があります。 まず、高線量被爆ですが、一般的に、250ミリシーベルト以上の放射線を一気に浴びると、急性障害を起こし、6〜7シーベルト以上を浴びると、99%が亡くなるという、本当に怖い存在です。(広島でも、爆心地の2km以内におられた方は、ほぼ全員が亡くなっています。(「日本銀行広島支店」参照) 1999年9月に起こったJOCの臨界事故の時に、16〜20シーベルトを浴びたOさんは、約3ヵ月後に逝去、6〜10シーベルトを浴びたSさんは、半年後に亡くなっています。現代の医学を持ってしても、治療できないのです。 アメリカの水爆実験で、被爆した第五福竜丸の23名の船員さんの場合には、3〜4シーベルトの放射線を浴びたと計算されており、半数以上の方が、後に、癌で死亡しており、生存の方も、癌を患っておられるが多いのは、上記の資料からも肯けます。 一方で、低線量被爆とは、250ミリシーベルト以下の放射線量の被爆ですが、一般的には、急性障害を起こさないとされています。 最近のマスコミで問題にされている低線量被爆は、20ミリシーベルト/年ですが、国際放射線防護委員会(ICRP)では、1ミリシーベルト/年を、一般公衆の被ばく限度としています。 ここでも、20倍の開きがあるのですが、世界平均の自然放射線量が、2.4ミリシーベルト/年 であることを見ると、国際放射線防護委員会の勧告数値は、「自然の中で生活していても危険」としていることになり、保身的な保守的な数値に見えてきます。 国際放射線防護委員会によると、1ミリシーベルトの低線量被爆で、放射線によるがん死が、1万人に付き、0.5人発生するとしていますが、喫煙や、飲酒、生活習慣によるリスクを無視しているので、うんんん・・・・・どうでしょうね? かつて、「が〜〜〜〜〜ん、1000ミリシーベルト」でも、取上げましたが、喫煙者や、私のような呑んべいの発がん発生リスクは、その1000倍であり、野菜不足の人でも、その100倍のリスクがあるということになると、大騒ぎするようなリスクではないような気がします。(もちろん、リスクを承知で、呑んでま〜〜す!(笑)) 私は、もちろん、「放射線は浴びない方が良い」という意見の人に反論するつもりはありません。ただ、低線量被爆と高線量被爆の違いは理解してもらいたい と思っています。 BSE問題が起こった時、私は、問題なくアメリカ産牛肉を食べましたが、嫌だと言う人に、「安全だから食べなさい」と押し付けるようなことをいうつもりはありません。 ですが、アメリカ人が毎日バクバク食べている牛肉を、「アメリカ産牛肉は、危険だから食べてはいけません」と押し付けられることには、抵抗があります。 「はっきりしていないこと」を、あたかも自分が正しいとして、他人の意見を尊重しないことは問題です。 放射線に最も敏感である広島と長崎の先生が、発している発言に、不快感を覚えて、それを駆逐するようなことは、あってはならないことだと思います。 追記 : 今日のNHKスペシャルでは、1ミリシーベルト/年を、被ばく限度だと説明していましたね、何故、自然界での被ばく量が、2,4ミリシーベルト/年あることを話さないんでしょうね。マスコミが、不安を煽っていると言われても仕方がないと思います。 (記 : 2011年7月3日)
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