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ゆうちょ銀行が、日本を潰す?

亀ちゃんが、フライングをして、話題になっていた、ゆうちょ銀行の預け入れ限度額(1人あたり1千万円)を、2千万円まで、かんぽ生命の保障限度額(原則1千万円)も、2500万円まで引き上げることについて、結局、鳩山さんに一任されて、フライングのままの結果となりました。

亀ちゃんは、引き上げる理由を、事業の全国一律サービスを確保するために、収益力のアップが必要と説明しています。

もちろん、預け入れ限度額が上がれば、ゆうちょ銀行に入ってくる資金が増えて、収益力が上がるのは、目に見えています。

しかしながら、ゆうちょ銀行は、その70%以上を国債で運用しており、わかりやすく言えば、「国家予算で、経営をしている」のと同じなのです。

ですから、民営化されたとは言え、実質上、給料は、国家予算の国債費から出ていることになり、社員は、公務員と同じ状態になっています。

ゆうちょ銀行も、金融機関ですから、お金を借りて、そのお金を貸し出して、その金利差で経営をしなければいけないのですが、実際には、借りたお金で国債を買って、国債の金利と借りた人への金利差で経営しているのです。

この仕組みを変えないと、国は、いくらでも国債を発行して、国民から借金をする構造から、抜け出せない のです。

日本国債が、格付けも低く、これだけ返済不能状態に陥っていても、国債価格が、暴落しないのは、そのほとんどが、日本国民から借りたお金で買われているからです。

最近、ギリシャの債務問題が大きく報じられましたが、ギリシャの国債の半分以上は、外国人が保有しており、返済不安になるとすぐに売りに入って、価格が暴落したのが、原因です。

日本の場合には、国民の総金融資産額までは、借り続けても、日本人が、国債を保有している以上、暴落はしないでしょう。

しかし、 その限度=国民の個人金融資産が、近づいているのです。 (注1)

日本国民の個人総金融資産は、1400兆円くらいだと言われています。(比較:東証の3月末の時価総額は、330兆円、 民営化時の日本郵政の総資産は約338兆円)

それに対して、現在の普通国債の残高は、約607兆円、借入金,政府短期証券を含む日本全体の債務残高は、1090兆円です。(「日本の借金カレンダー」参照)

今すぐではありませんが、近い将来に、確実に、限度に達する見込みです。

しかも、今回の預け入れ限度額引き上げで、ゆうちょ銀行に資金が集まれば、貸し出しのノウハウのないゆうちょ銀行は、国債を買わざるを得なくなります。

そうなれば、ますます、政府は、国債を発行して、余命を短くすることになるでしょう。

この記事のタイトルは、「ゆうちょ銀行は、日本を潰す?」ですが、このままでは、確実に潰すことになるでしょう。

これまで、郵政の民営化が必要だと言ってきたのは、この構図を変えないといけないということであって、形態や、サービスのことは、大きな問題ではないのです。ゆうちょ銀行は、本当の意味で、民営化されなければいけないと思っています。

注1 : 国債は、国民の金融資産を担保に取っているという理論は、仮に、ゆうちょ銀行の全預金者が、全額を引き下ろしたら、ゆうちょ銀行は、国債を売って、現金化するしかなく、国債の引き取り手がなくなって、国債価格が暴落し、国家破綻になることは、火を見るよりは明らかでしょう。

現状では、ゆうちょ銀行の全預金者が、預金を引き出すことは、考えられませんが、国民の金融資産が、国債の実質的な担保になっていることは、おわかりいただけると思います。ですから、国民の金融資産以上の国債の発行は、外国が支援して、買ってくれない限り、無理だということです。
                                                (記 : 2010年4月4日)

追記 : ゆうちょ銀行の資金運用状況



上の表から、ゆうちょ銀行の運用先の70.5%が、日本国債でなされていることが、わかると思います。国債の金利と、預貯金金利の利鞘で、経営が成り立っているということです。

しかも、貸付金32%のうち、3分の2は、政府への貸付であり、左の表の預託金で、財政投融資で国が自由に使っていた資金です。

実質的に、ゆうちょ銀行が、貸し出している資金は、7.4%に過ぎないということになります。

注 : 平成19年10月1日、郵政公社は、日本郵政株式会社となり、民営化されています。





                 (追記 : 2011年2月4日)

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