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千里同風

千里同風 : せんりどうふう

「千里」は、遠く離れた地域で、「同風」は、同じ風が国土の隅々まで行き渡っているという意味です。風は、風俗、教化のことで、「世の中がよく治まっていて、平和であること。」を表しています。

出典は、「論衡」(ろんこう) で、中国後漢時代の王充(27年 - 1世紀末頃)が、迷信の打破、天人相関説をとる漢代儒教の不合理性の批判、実用的な 創造性のある文学の要求などを論じた思想書の中からです。



国の中の多くの人が、同じ思いを持ち、 ひとつの目標に向かおうとした時、世の中は、同じ風が吹き、争い事がなくなるのだと思います。

2度と戦争をしないと決心した多くの国民に、戦争を強いるような集団的自衛権を認めようとする安倍政権は、「千里同風」を乱す行いをしているのではないでしょうか?

ホルムズ海峡の話とか、遠い地域のピンと来ない状況で説明していますが、一番身近な例では、北朝鮮と韓国が交戦状態になった場合を想定すると良くわかります。

当然、アメリカ軍は、韓国を支援して、軍事作戦を展開します。集団的自衛権という名で、日本軍(もうこの時点で、自衛隊ではありません。)が、参戦することになります。

1950年から1953年の朝鮮戦争の時には、憲法9条が、米軍から求められた軍事的な支援を許さず、その結果、日本の戦後復興が成し遂げられたわけで、この当時から、日本は、集団的自衛権を保持していないのは、明白なのですが、一部の保守勢力によって、勝手に解釈を変更するのは、大いに問題がありますよね。

戦後70年に渡って、「千里同風」だった日本が、また、昔の戦争国家になっていくのは、寂しいものです。

この書は、風を意識して、漢字の書き順などを無視して、「風が流れている」状態を表現しています。初めての、崩し文字の挑戦でしたが、お気に入りの作品です。

記 : 2015年7月26日

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