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ソロモン諸島の「貝貨」

2013年4月20日に、ソロモン諸島の首都ホニアラの国立博物館の売店で買った、ソロモン貝貨です。

ソロモン諸島の貝貨

 表側

 裏側

大きさは、長さ:20cm、幅:10cm、厚さ:1cm、重さ:290gのもので、買った時には、よくわからなかったのですが、売店のおばちゃん曰く、「これは、昔のお金である。」ということでした。ふんんん・・・・・こんなお金を使っていたんだ・・・・・と半信半疑で、お買い上げ・・・・・

ショーケースの中では、一番小さなものを選んだのですが、それでも、6000円くらいでしたので、まずまずのお値段ですね。

しかし、日本に帰ってきてから、色々と調べると、これは、シャコ貝で作られた腕輪上の「貝貨」で、そんなに遠くない時代まで使われていたことを知りました。

そうであれば、これで、豚一頭が買えるかもしれないと思うと、6000円は妥当か?(笑)

しかも・・・・・

 陳列品

持ち帰ったソロモンドルコインを見て、おお〜〜〜〜〜!、ソロモンドルコインのデザインが、ショーケースの中にあった別のスタイルの「貝貨」と同じではないか! 間違いない!と確信した瞬間でした。



左が、パプアニューギニアの1キナコイン、右が、ソロモン諸島の2ソロモンドルコインですが、よう〜〜〜〜く見ると、ソロモンドルコインのデザインに、ショーケースの中に写っている「貝貨」があるのがわかると思います。やっぱり、「お金」だったんですね。

NNA.ASIAに、次のような記事が載っていました。(引用文「テイクオフ:太平洋のソロモン諸島」参照)

『太平洋のソロモン諸島人の知人から、村で通貨として使われる貝の話を聞いた。彼の村では、シャコ貝を腕輪状に加工した「貝貨」を今も使う。

村で生きるには貝貨が重要だと言うが、彼の言い回しが興味深い。「貝貨には穴がある。その穴の向こうに世間が見える。だからこそ貝貨はいろいろと使える」。貝貨に穴があるから豚が買え、トラブルが解決し、花嫁も買えるのだという。「穴がないと向こう側が見えない。だからお金を巡って問題が起こるのだ」。』

「貝貨」では、「穴あき」が重要だと話してありますね。ソロモンドルコインには、穴あきの「貝貨」がデザインしてありますが、お隣のパプアニューギニアでは、1キナコインに穴あきが採用されていますので、やはり、この地方では、お金に「穴あき」は、重要だということのようです。丸〜〜〜るく収めるには、やはり、穴あきということでしょうか?(笑)

尚、日本では、5円玉と、50円玉に穴が開いていますが、世界的に見ると、穴あきコインは、珍しく、それ故、5円玉を、外国での日本のお土産にするくらいです。

下の様子は、ソロモン諸島のマラタイ島で撮られた、貝貨を作っている様子(出典:ソロモン諸島写真館より)ですが、こうやってこの「貝貨」が作られたようです。



下の写真は、私が、この「貝貨」を買った国立博物館ですが、「国立」とはいっても、掘っ立て小屋程度?(笑)の博物館でしたが、この地方の文化に少しでも接することができて、うれしく思っています。

 入口を望む

 博物館



 売店

ソロモン諸島は、本当の意味で「豊かな国」で、働く必要もなく、生っているものを食べれば生きていけるし、魚も豊富に取れます。そんなところでは、西洋式の貨幣は必要なく、インフレのない固定単価の貝貨があれば、物々交換には、十分だということなんでしょうね。

あまり良く考えもせずに、思いつきで買ってきたものですが、大変貴重なものだったことがわかり、うれしく思っていますが、「お金とは何だろう?」と、問い直す良い機会だったような気がします。

尚、この地方では、もっと小さな貝を数珠上にしたものや、イルカの歯を、貨幣にしたものもあるようです。

                                                (記 : 2013年5月3日)

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