紀太理光(きた りこう)作、富田焼(とみたやき)吉金窯の香合です。
大きさは、幅:5.1cm、長さ:6.2cm、高さ:3cmほどで、共箱、共布(印なし)、栞付きです。
干支の猪をモチーフにした香合で、紀太理光得意の、金銀彩の施されたものです。
★ 富田焼とは ★
富田焼は、香川県さぬき市大川町で焼かれている焼き物で、大川町富田地区は、江戸時代から焼き物の里として栄えていました。
江戸時代には、讃岐お国焼として、理兵衛焼、源内焼、冨田焼、屋島焼、讃窯などが名声を高めていましたが、陶土は、大川町富田のものが多く使われました。
享保三年、理兵衛焼四代目理兵衛
が富田に窯を持ち、富田印の美しい色絵陶を残し、天明、寛政年間に、このあとを受けて、平賀源内高弟の赤松松山が、南京染付を中心とした富田焼を焼成しています、
化政期から天保年間にかけては、富永助三郎が多くの焼物師たちを指導しながら、日用雑器を大規模に焼いていますが、明治になって、廃窯になりました。この時期のものが、県指定史跡「冨田焼吉金窯跡」となっています。
昭和五十一年に、理平焼十三代の実弟 紀太理光が、始祖ゆかりの富田の地に陶房を築き、富田焼吉金窯を再興し、現在に至ります。
(解説は、栞より、抜粋)
★ 作家 プロフィール ★
紀太 理光 (きた りこう)
昭和22年 高松市中野町に出生。
昭和41年 高松工芸高校 漆芸科卒業
昭和44年 京都府立陶工職業訓練校卒業。
同年、元日展作家 手塚
央氏・手塚
充氏に師事。
昭和47年 13代・理平と作陶。
昭和51年 独立し「冨田焼吉金窯」を創窯。
昭和64年 日展 入選。
(記 : 2016年4月25日)
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