旅するところ、焼き物・骨董あり!                                                                       <<<焼き物・骨董情報サイト>>>

トップへ  当サイトでは、筆者が、世界中を旅したところで集めた焼き物・骨董品を、
エピソードと共に、その起源や、特徴を、ご紹介しています。意外な場所に、
意外な、お宝があるものです。画像と共に、うんちくも、お楽しみください。 

水野英男作・尾林焼の灰釉徳利

尾林焼(おばやしやき)、5代目水野英男作・灰釉徳利です。













大きさは、口径4p−直径8.5p−高さ11p 程で、共箱、共布、栞付きです。

水野英男さんの得意の灰釉の作品で、古瀬戸風の徳利ですが、箱書きは、「徳久里」とあります。栞は、少し年代を感じさせますので、昭和50年代の作品だと思います。

尾林焼(おばやしやき)は、長野県飯田市龍江尾林で焼かれている焼き物で、飯田藩の御用窯として、篠田得斎が開窯したと伝えられています。長野県最古の焼き物で、美濃系の窯と言われており、慶長14年(1609)銘の鉄釉狛犬が伝世しています。



いったん廃絶していましたが、江戸時代の末期に、飯田藩の御庭焼きであった風越焼の指導にあたっていた水野義儀三郎が、尾林に移って再興しました。

江戸時代は、主に、茶器や酒器を焼いており、黒い釉薬で仕上げられ、白釉で流しかけされた徳利や、志野風や黄色瀬戸風の作品も伝世しています。

尾林の窯業が盛んになると、多くの陶工が集まり、九谷風の色絵や、独特の篆刻を施した作品が焼かれました。しかし、明治期には、衰退して、瓶類や土管が焼かれていました。また、明治30年頃には、萩本陶斎が天竜焼として、てん刻を陶器に応用したものを焼いています。

現在は、尾林焼水野窯5代目水野英男氏が、土、釉薬、薪等の材料を、近在のものにこだわって、息子さんの6代目雅史(まさし)さんと共に、父祖伝来の登り窯を、焚き続けています。

 登り窯

尾林焼の作品は、中々市場に出てこないので、珍しいものだと思います。手に入れることが出来て、ラッキーでした。

 【作家 プロフィール】

 5代目 水野 英男 (みずの ひでお)

昭和 7年
飯田に生まれる
昭和26年
京都工業技術庁陶磁器試験所伝習生

昭和35年

岡部(加藤)嶺男先生に師事 
昭和38年
第10回日本伝統工芸展入選
昭和39年
第4回伝統工芸新作展入選
昭和40年
朝日陶芸展入賞以後5回受賞
昭和43年
日本工芸会正会員
昭和47年
名古屋松坂屋個展以後10回
昭和55年
日本橋高島屋個展以後6回
平成8年
駒ヶ根高原美術館企画展
平成9年
伝統工芸新作展優秀賞受賞
平成11年
伝統工芸新作展鑑審査委員
平成11年
芸術文化功労県知事表彰




















  現在     日本工芸会正会員
                                              (記 : 2012年9月20日)

Copyright (C) ともさんの焼き物・骨董紀行  All Rights Reserved 
















inserted by FC2 system