平戸洸祥団右ヱ門窯(ひらどこうしょうだんうえもんがま)作・三川内焼(みかわちやき)の香炉です。
大きさは、高さ:6.5cm 直径:8cmほどで、紙共箱付きです。呉須で、市松模様(いちまつもよう)を描き、呉須の発色もいい香炉です。
共箱から、
香老舗 松榮堂が、平戸洸祥団右ヱ門窯に発注して、作らせたものだと思います。
丁度、コーン型のお香を使うのに、適当なものはないかな?と思っていて、見つけました。中央に、コーンタイプのお香を乗せる部分があり、スティックタイプのお香を使う時には、蓋を取って使うようになっています。
これまでは、下の画像のように、ガラス製の皿に、菊座を乗せてお香を焚いていましたが、やはり、和室で焚くとなると少し、風情がなかったので、お香が見えないようになる香炉を探していました。
平戸洸祥団右ヱ門窯は、三川内焼400年の伝統を守りながらも、常に新しいもの作りに専念しているということで、ちょっとモダンな模様の香炉になっています。
現在、17代中里一郎(なかざといちろう)さんが当主として、奥さんの由美子さん、息子さんの太陽さんらが、作陶されています。
コーンタイプのお香を早速焚いてみました。吸気口等、空気の流れがうまく行くように、計算された作りになっています。
★ 平戸洸祥団右ヱ門窯 ★
平戸洸祥団右ヱ門窯は、元和8年(1622年)に、長崎県の三川内の地に平戸藩御用窯が開窯された際、当時の陶工の一人、中里エイこと高麗媼(こうらいばば)を祖として続いてきた直系にあたる窯元だそうです。
窯の先祖一統は、韓国熊川の出身で、豊臣秀吉の慶長・文禄の役(慶長3年)平戸藩主松浦鎮信公が敗け戦で帰陣する際、秀吉の命令で連れ帰ってきた陶工の一統だったそうです。
以来、400年に渡って、その技術は受け継がれ、昭和3年に、宮内庁御用達の拝命を頂き、現当主第17代中里一郎に至っています。
開窯以来、天草陶石を使って、白磁に青色の呉須(ゴス・顔料)で描いた染付を主体に製作しています。
洸祥窯
★ 香老舗 松栄堂 ★
松栄堂(しょうえいどう)の創業は、今から300年ほど前で、3代目守経のころ「松栄堂」として本格的に香づくりに携わりました。以来、12代目に至る今日まで、香づくり一筋に歩んでおり、京都本店をはじめ、大阪・東京・札幌などに、7つの直営店舗を展開しています。
京都本店
★ 市松模様とは ★
市松模様(いちまつもよう)とは、格子模様の一種で、二色の正方形(または長方形)を、交互に配したチェック柄の模様で、古墳時代の埴輪の服装の模様や法隆寺・東大寺正倉院の染織品にも見られ、古代より織模様としてい存在していました。
江戸時代の歌舞伎役者、初代佐野川市松が、この白と紺の正方形を交互に配した袴を履いたことから人気を博し、着物の柄として流行しました。これが、後に、「市松模様」「市松格子」「元禄模様」などと呼ばれるようになりました。
★ 陶工 プロフィール ★
中里 一郎 (なかざといちろう) 雅号:団右ヱ門
長崎県佐世保市三川内町に生まれる。
佐賀県立有田工業高等学校図案科卒業。
京都
平安陶苑にて修行。
平戸洸祥団右ェ門窯、後を継ぎ17代目となる。
(記 : 2014年11月28日)
|