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無名異焼の湯呑み2点

無名異焼(むみょういやき)の、渡辺国蔵作・国三窯印刻湯呑みです。

 

 

無名異焼は、新潟県佐渡市相川町で焼かれている焼き物で、佐渡の金山から出る無名異土(酸化鉄を多量に含んだ土)を使用しています。

その為、朱泥のような鮮やかな朱色が、発色し、釉薬を掛けずとも、光沢が出るのが特徴です。

この湯呑みも、典型的な無名異焼のもので、梅文の印刻が入っています。大きさは、径6.0]高さ7.3cmで、共箱・黄布付きでした。また、湯呑みということもあり、お安く手に入れることが出来ました。

国三窯は、相川町ではなく、金井町にあり、陶芸館として、見学、手作り体験が出来ます。

  

実は、私は、朱泥ものもそうなのですが、朱色の焼き物と、南国風の派手なものは、あまり好きではないので、壷屋焼や、無名異焼は、コレクションの中でも、最後の方になりました。

ただ、壷屋焼では、金城次郎が、無名異焼では、5代伊藤赤水が、人間国宝に認定されて、注目せざるを
得なくなっているという事情もあり、コレクションに加えました。(笑)

無名異焼(むみょういやき)は、新潟県佐渡市相川町で焼かれる陶器で、文政2年(1674年)に伊藤甚平が開窯して、主に素焼きの日用品を焼き始め、1840年頃、伊藤善兵衛(8代目)が、無名異を陶土に混ぜて、楽焼を始めました。安政4年には、伊藤富太郎(初代伊藤赤水)が、無名異焼を本格化させました。明治に入って、初代三浦常山や、伊藤赤水が、脆かった従来品を強くするため、朱紫泥焼の手法を編み出し、今日に至っています。

高温で焼き締めるために非常に固く、叩くと金属音のような音を出すのが特徴です。また、無名異土は、
粒子が細かいので、焼き上げると、30〜40%も小さくなります。 それだけ焼き締まっているということなの
でしょうね。

無名異焼は、2003年に重要無形文化財の指定を受け、同時に5代伊藤赤水が重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されています。

現在、16軒ほどの窯元が、伝統的な無名異焼や、独自の作風の作品を焼いて活躍しています。
                                               (記 : 2010年1月29日)

追記 :

五代伊藤赤水(いとう せきすい)作・無名異焼(むみょういやき)の湯盤です。









大きさは、口径 約 6cm、高さ 約7.5cmほどで、共布、共箱付きです。

箱書きから、五代赤水の作品だとわかりますが、所謂、工房作品だと思います。化粧土の上に、梅文様が呉須で描かれており、湯呑みにしては小さく、ぐい呑みでもいいかな?という大きさです。「窯変」とか、「練上」といった作家ものは、人間国宝の作品だということで、大変高価なものですので、気分だけを味わせていただきます。(笑)

五代伊藤赤水は、1941年、佐渡で生まれ、お父さんの四代赤水が、二十歳の時に亡くなっていますので、大学卒業後の1966年、おじいちゃんの名工、三代赤水に師事し、1976年に五代赤水を襲名しています。

五代赤水は、これまでの朱色一色の無名異焼に、赤以外の色も配した方が良いと考え、この当時、窯変で黒が入った無名異焼は、不良品扱いされていましたが、五代・伊藤赤水は逆転の発想で、この窯変が赤の魅力をより伝えることができるはずと考え、昭和43年(1968年)ころから、窯変の作品をつくりはじめました。

窯変に次ぐ表現方法を模索しはじめた五代・伊藤赤水は、知っている様々な技法を試し研鑽を積んだ結果、昭和59年(1984年)に異なる色の土を重ね合わせて紋様をつりだす「練上」にたどり着きました。

現在では、「窯変」と「練上」が、五代・伊藤赤水の二大技法と言われています。

 伊藤 窯一( いとうよういち 雅号: 伊藤赤水)


  5代伊藤赤水作 窯変水指

■ 伊藤赤水窯 系譜 ■

1670年頃  伊藤伊兵衛が、加賀より、来島
1674年頃  伊兵衛の息子・甚兵衛が、開窯
1840年頃  伊藤善兵衛(8代目)が、無名異を陶土に混ぜて、楽焼を始める
1898年    伊藤富太郎(1832〜1899年)が、初代伊藤赤水を名乗る
以降      二代伊藤赤水       〜1930年
         三代伊藤赤水(孝太郎)  〜1974年
         四代伊藤赤水(博)     〜1961年
2003年   五代伊藤赤水(窯一)が、人間国宝に認定される。 1941年〜
                                              (追記 : 2012年9月20日)

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