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月夜野焼の湯呑み・花瓶・ぐい呑み

2代福田祐太郎作、月夜野焼(つきよのやき)の銅紅釉・辰砂湯呑みです。













本当は、ぐい呑みが欲しかったのですが、月夜野焼は、ご当地でしか販売しないという方針から、中々、お品が出てこない焼き物ですので、湯呑で、我慢しました。(笑)

月夜野焼は、銅紅釉・辰砂が有名です。辰砂釉は、還元焼成で焼かれますが、色が飛びやすく、中々、いい色が出ないのですが、この湯呑は、まずまずの発色をしています。

大きさは、高さ 約 8.5cm 幅 約 7cmほどで、共箱、共布付きです。

月夜野焼(つきよのやき)は、群馬県利根郡みなかみ町(旧月夜野町)で、焼かれている陶器ですが、その発祥は、全くの偶然でした。

元々、群馬県には、焼き物の産地がなく、その原因に、焼き物になる陶土がないというものでした。しかし、奥さんの実家の月夜野町を訪れていた、波佐見焼の産地・長崎県で生まれ育った2代福田祐太郎が、上越新幹線の工事現場から排出された土が、陶土になることを、昭和50年1月に、発見しました。その後、月夜野町を中心に陶土脈が大量に分布していることが分かり、この陶土・陶磁石を使って、独自の釉薬で焼成したものが、現在の「月夜野焼」とよばれています。

2代福田祐太郎さんは、1921年(大正10年)、長崎県の波佐見焼の窯元に生まれ、祖父の初代・祐太郎に少年期から作陶を伝授され、辰砂に魅せられて、本場の中国へ14歳の時に、渡っています。

また、弟子であり、夫人である福田祐泉さんは、薬剤師をしておられた方で、その知識もあってか?、辰砂の研究過程で、青銅器そのままの肌理を持つ「青銅」と、緑から真紅にまで、見事な色模様を見せる「綾錦」という釉薬を開発しています。

月夜野焼は、「辰砂」、「青銅」、「綾錦」の3つの釉薬を使ったものが特徴です。それに加えて、祐泉さんが、季節の草花をモチーフにした絵模様の作品を作成されており、ギャラリーに展示されています。

 月夜野焼窯元

   ギャラリー

現在は、2代福田祐太郎夫人の福田祐泉さん (1937年生まれ) 、ご子息の福田一美さん (1965年生まれ) 、福田茄美さん (1966年生まれ) が、祐太郎窯を継いでいます

月夜野焼は、昭和51年3月には、作陶と技術の伝習を目的とした「伝習所」が、53年には、「募陶館」が作られ、独立して県内に窯を開いた者も5人を超え、確かな産業となっています。

 故2代福田祐太郎さん(1921年〜1998年)
        中曽根元首相と

現在の祐太郎窯は、福田祐泉さんと、2人の娘さんによって、経営されていますので、女性らしい季節の草花をモチーフにした絵模様の作品が、増えています。今回は、2代福田祐太郎さんご本人の、十八番の「辰砂」の作品を、入手できて、ラッキーでした。
                                              (記 : 2010年8月18日)

追記 1

月夜野焼
福田 祐太郎青銅釉一輪挿です。 









 

大きさは、口径約2.2cm 高さ約21.5cm 高台径約4.2cm程で、共箱、共布、栞付きです。

2代福田祐太郎さんの作品で、十八番の1つの「青銅釉」の作品です。中々の出来だと思います。今後、月夜野焼も、辰砂釉や、青銅釉の作品は、減っていくような感じですので、貴重なものになる可能性があるので、これからも、大切にしたいと思っています。
                                           (追記 : 2010年12月18日)

追記 2:

月夜野焼福田 祐太郎辰砂釉ぐい呑みです。







大きさは、径:5cm、高さ:4.5cmで共箱、共布付きです。高台内には、「」の陶印が入っています。

月夜野焼の作品で、中々、ぐい呑みを見掛けることが少なかったので、ようやくゲットできて、喜んでいます。

月夜野焼の特徴である辰砂釉の作品で、かつて買った都城焼に似ている作品です。赤の色が鮮やかに出ていますね。また1つぐい呑みのコレクションが増えました。

 都城焼

                                            (追々記 : 2014年3月10日)

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