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エピソードと共に、その起源や、特徴を、ご紹介しています。意外な場所に、
意外な、お宝があるものです。画像と共に、うんちくも、お楽しみください。 

喜六造・斑剣先茶杓

喜六造、斑剣先茶杓(まだらけんさきちゃしゃく)です。







茶杓(ちゃしゃく)が、斑竹製で、長さ19.5cm、共筒(径2.5cm、長さ24.5cm)、共箱(幅3.5cm、高さ4cm、長さ26.5cm)付きです。

共筒と共箱には、喜六造と入っていて、共筒には、花押もありますが、「銘」は入っていません。「喜六」が、誰れなのか?を、色々と調べたのですが、わかりませんでした。ただ、共筒、共箱付きなので、良いものでは?と思っています。

★ 茶杓とは ★

茶杓(ちゃしゃく)とは、簡単に言えば「抹茶を茶器からすくって茶碗に入れるための茶匙」です。一般に竹製が多用されているため、「茶杓=竹」のイメージがありますが、象牙製・木製・角製もあり、仕上げも木地・塗物などと様々です。普段は筒に 収められており、この筒に「銘」(その茶杓に付けられた固有の名前)を記されています。

茶杓は、元々中国で使用されていた薬匙です。中国の唐宋時代の象牙(ぞうげ) の薬さじで、日本に渡来して茶杓に使われました。先が笹の葉状で、柄の末端に薬を粉末に する小球がついています。


                 象牙製の芋茶杓(いもぢゃくし)

しかし、室町時代の末に茶の湯が成立し、茶入から茶をすくうようになったため、先の太い形状では口の小さい茶入からお茶をすくうのは難しくなりました。その後、利休の時代になって、「利休形」といわれるような、象牙製の端正で基本的な形が使われるようになりました。

利休の時代以降、元々一回だけ使用する消耗品として扱われていた竹製の茶杓が、使い終わると竹筒に入れて保存されるように変わりました。また、竹筒に花押などの書付や銘がつけられるようになり、ここで茶杓と筒を合わせた一つの形が形成されました。

その後、時代とともに手作りの竹茶杓を数多くの茶人達が自ら作るようになり、今日のように「形の趣」を楽しむための多様な茶杓が作られるようになりました。

茶杓には、部位毎に名前が付けられており、下図のようになります、

 
露 の 形 状
丸形
(まるがた)
一文字形
(いちもんじがた)
剣先形
(けんさきがた)
兜巾形
(ときんがた)

   

茶杓は、茶事において最後に拝見に廻る、格別の役割を果たす道具です。この時の亭主と正客との問答・やりとりは、茶の湯における醍醐味の一つと言えます。茶道具の中では軽く小さい存在ですが、その鑑賞の対象となる部分は実に多彩です。
  • 用いる竹の質・竹の景色 ( 白竹・煤竹・斑・胡麻・そぎ目・虫喰(虫穴) )
  • 樋の取り方 ( 本樋・逆樋 )
  • 節上・節下の景色
  • 節裏の削り方 ( 直腰・蟻腰 )
  • 櫂先の撓め方 ( 丸撓め・一重撓め・二重撓め )
  • 露の削り方 ( 丸形・一文字形・剣先形・兜巾形 )
  • 切止の形 ( 七三止め・五五止め・角止め )

うんちくを語るには、少し、勉強が必要のようですね。(笑)

茶杓の筒は、正確には「詰筒 ( つめづつ )」と言い、本来の用途は茶杓の繊細な細工を保護するための竹製の収納容器ですが、評価の上では「筒あっての茶杓」と言われます。銘や作者名の記された由緒のある共筒の場合、価値は茶杓を上回ります。つまり茶杓の価値は、造形美にではなく、作者にあるとされるようです。

本来、茶杓と詰筒がセットになっていますが、詰筒を収納する共箱の3点セットが多くなってきているようです。

 詰筒には、銘と花押、共箱には、作者の署名、由来があります。

私の茶杓には、銘がなく、作者も名前しかわからないのですが、銘は、名付け親がいるわけですので、私が、名付け親になろうかと、相応しい銘を考えています。(笑)
                                               (記 : 2011年7月11日)

後に、茶杓の模様が、幻の蛇の「つちのこ」に似ているので、「つちの子」と命名し、私の拙い書で、銘を入れました。価値が下がったかも?(笑)
                                             (追記 : 2014年11月16日)

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