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エピソードと共に、その起源や、特徴を、ご紹介しています。意外な場所に、
意外な、お宝があるものです。画像と共に、うんちくも、お楽しみください。 

風炉釜、灰匙、火箸、他

鋳鉄製の朝鮮切合風炉(ちょうせんきりあわせふろ)です。











大きさは、径:30cm、高さ:33cmほどの朝鮮鉄風炉の切合風炉で、釜の蓋は、銅製です。

は、真形釜(しんなりがま)と呼ばれていて、茶の湯釜の形状のひとつで、茶湯釜の最も基本的な形とされ、口はやや内側に繰り込んだ繰口(くりくち)、肩はなだらかで、胴の中央に鐶付(かんつき)が付き、胴の上部と下部のつなぎ目に庇のように出ている羽(は)をめぐらした釜です。

風炉は、朝鮮風炉(ちょうせんぶろ)と呼ばれる風炉の形状のひとつで、鉄製の肩の張った切掛風炉で、三つ足がやや長く、上部の 立ち上がりに透し紋、前後に香狭間透の眉があります。

茶道の好きなおばあちゃんが、「私の家族には、茶道に興味のあるものがいないので、茶道が好きな人に持ってもらうのが、一番!」といって、譲っていただいたものです。

もらった後、飾ってはありますが、まだ、使用したことはありません。今は、IHヒーターを使った鉄瓶を使っていますが、やはり、炭を起こすとなると、気軽には用意できないのが難点ですね。

風炉釜(ふろかま)とは、風炉(ふろ)と釜(かま)、別々のものが合わさっているいるものです。

風炉は、陶器、唐銅、鋳鉄などで作られているものが多く、釜は、鋳物の鉄で出来ているものが多いようです。

 鉄風炉

 唐銅風炉

 土風炉

私の風炉釜のように、風炉と釜がセットになって いるのは、切合(きりあわせ)風炉 といいます。

五徳を使わず直接風炉の肩に釜をかける方式で、「切掛(きりかけ)風炉 」とも言います。

風炉は、鎌倉初期に南浦紹明(なんぽじょうみょう)が、仏具である台子などと共に、中国から持ち帰ったと伝えられていて、室町時代には、切合風炉は、国内で作られていたようです。

★ 灰匙 ★

灰匙(はいさじ)3種と、釜洗いです。







灰匙は、平灰匙 15g、笹葉(大) 20g、笹葉(細) 21g、長さは、いずれも15cm程度の3本セットで銅製、釜洗 は、棕櫚製で、長さ15cmほどです。

最初、中華料理のささらみたいなものが、何なんだろう?とわからなかったのですが、買った後で、調べて、これが釜洗い なるものであるのが、わかりました。(笑)

灰匙は、茶の湯の炭手前で、灰をすくって炉の中にまいたり、 風炉(ふろ)の灰をならしたりするのに用いる匙で、多くは、鉄、銅などの金属で作られており、灰杓子 (はいじゃくし)ともいいます。

原則として、炉用は大形で桑柄、風炉用は小形で竹皮巻とされますが、素銅、青銅、砂張、南りょうなどのものもあります。

ですので、私が買ったものは、風炉用の素銅製であるということですね。

釜洗(かまあらい)は、釜の外側についた煤(すす)や灰を洗い落とす道具で、棕櫚(しゅろ)毛でできたタワシです。 釜底洗(かまそこあらい)、底洗 (そこあらい)ともいいます。

棕櫚の毛を、長さ四寸に釣鐘状に束ねて、銅の針金で巻いたもので、昔は馬蘭の根を用いたと伝えられています。

いつの時代に誰が考案し、今の形になったのか伝わっていませんが、特に「ツリガネ型」は、先人の知恵とこだわりが随所に感じられ、お道具としてだけでなく、インテリアグッズとしても、飾って楽しめます。

★ 火箸 ★

敏彦作、銀杏頭飾り火箸です。

  

大きさは、長さ28.5cm、重さ90gのもので、黄銅製です。「敏彦」と、共箱にあるのですが、富山県出身の加賀象嵌師である本江敏彦 (ほんごう としひこ)さんの作品であるかは、定かではありませんが、作風が、同じ高岡銅器の般若勘渓さんと似ていますので、可能性は高いと思います。

火箸(ひばし)は、亭主が 客の前で炉や風炉に炭を組み入れる炭点前(すみでまえ)で用いる、炭斗から風炉や炉に炭を入れるのに使う金属製の箸のことです。

火箸は、風炉用と炉用とに大別され、風炉用は全部金属製で、炉用は木の柄がつき、普通は桑柄が最も多く、利休形でほかに唐木、黒柿、桜皮巻などがあります。



飾り火箸とは、茶の湯で,台子(だいす)・長板の総飾りの時に、杓(しやく)立てに飾る火箸で、必ず総金属製で、主に、真鍮(しんち ゆう)・銀などで作られていて、頭に飾りのある真の位の火箸です。 炭手前に用い、炉・風炉の区別はありません。



本来は、こういう風に使うんですね。飾り火箸だと知らずに買ったのですが、あまりにきれいなので、使う気にはなれくて、使っていませんでしたが、使わずに正解でした。(笑)

★ 長板 ★

風炉用の長板(ながいた)です。



大きさは、長さ:848mm、幅:364mm、厚さ:18mmで、木製で、真塗り仕上げになっています。

小型IHヒーターを使った、置き炉を作ったので、長板の上に、お道具を乗せてみました。本来は、風炉、水指、杓立て、建水などを置くのですが、こうして使っても違和感はありませんね。(笑)

長板とは、茶道で、風炉(ふろ)・水指(みずさし)などをのせる 長方形の板で、台子(だいす)の地板に相当するものです。
 
千家では大小の二種があり、大きいものは風炉用とし、小さいものは炉用とし、風炉用が長さ二尺八寸、幅一尺二寸、厚さ六分、炉用は長さ二尺四寸、幅一尺、厚さ四分となっています。

主に、木製で、黒漆の真塗り仕上げですが、他に桐木地や、一閑張(宗旦好)などがあります。

★ 箱炭斗 ★

私のオリジナル設計で、知り合いの大工さんに作ってもらった箱炭斗(はこすみとり)です。







大きさは、縦横:23cm、高さ:20cmほどで、白木造り、ウレタン塗装の特注品です。

箱炭斗(はこすみとり)は、四方形の箱形で持手が付いている水屋用の炭斗のことです。 勝手炭斗、炭とり箱ともいいます。

席中の炉や風炉の火を補足するためにも持ち出す炭斗で、夜咄の茶事では止炭に用いられます。

利休形の箱炭斗は、桑木地で、やや上広がりで、上が八寸八分四方、下が八寸四方となっています。

ただ・・・・・我が家の箱炭斗には、癇銅壺で使う、オガ炭が入っています。(笑)
                                               (記 : 2014年8月17日)

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