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エピソードと共に、その起源や、特徴を、ご紹介しています。意外な場所に、
意外な、お宝があるものです。画像と共に、うんちくも、お楽しみください。 

村田好謙作・耀貝螺鈿盃

京都で活躍する漆芸家、村田 好謙(むらたこうけん)作、耀貝螺鈿盃(ようがい・らでんはい) 「銀河」です。















大きさは、径:11.5cm、高さ:4cmで、共箱、共布、栞付きです。

見込みに、螺鈿研ぎ出しを配して、宇宙空間の「銀河」を表現しています。螺鈿の使い方は、若狭塗に似ていますが、ニュージーランドで採れた耀貝を粉状にして撒き、炭で研ぎ出して、奥行き感を出しているのは、創造的ですね。大変良いものが手に入ったと喜んでいます。

螺鈿が、角度を変えて見ると、いろいろな色を発色して、大変、きれいです。

螺鈿というのは、一般に、夜光貝、蝶貝、あわび貝、オウムガイなどの貝殻の真珠色に光る 部分を磨いて薄片にし、種々の形に切って漆器や木地の表面にはめ込み、または貼(は )りつけて装飾する工芸技法です。

奈良時代に中国(唐)から、入ってきた技法ですが、この作品では、現代の感性で、新たな使われ方がされています。

★ 京漆器 ★

都府京都市内で生産される工芸品的な漆器のことを、京漆器(きょうしっき)と呼んでいます。

全国の漆器産地の中でも、とりわけ薄い木地を用い、入念な下地を施し、洗練された優美な蒔絵 が施された もので、日常的に使う器というよりも「美術工芸品」としての価値観に基づいてつくられる漆器です。

京漆器の特徴は、薄手の木地に漆と澱粉糊で麻布を貼って補強し、その上に京都市山科区から産出する「山科地之粉」「山科砥之粉」等を漆で練り合わせてペースト状にした、「地錆漆」「錆漆」という下地材を何層にもわたって塗り重ね、さらに器の角の部分をより鋭角を際立たせ、丈夫にするために補強する「くくり錆」という工程をはさみ、黒や赤の漆を塗り重ねていくという「本堅地」という、漆工芸において最も基本的な製作工程にあります。

本堅地の技法は、輪島塗でも使われていますが、京漆器は、京焼と同様に、「1品1点主義 」で、少量生産のため、繊細で気品高いデザインをもつ、他産地の漆器に比して、極端に高価な漆器となっています。

京都は、平安時代から明治に入るまで、政治・文化の中心でしたので、京漆器も、顧客である公家や商家と隣接し発達しました。優良顧客の要望に応じて、手間隙を掛けた完成度の高い漆器を送り出しています。

また、京漆器は、全国に伝播したことから、地方漆器の起源や生産工程に影響を与えています。

★ 作家 プロフィール ★

 村田 好謙 (むらた こうけん)

1956年 京都生まれ。
1975年 漆工奨学賞を受賞。
1976年 日展に初入選。以後34回入選。

現在、日展委嘱、日工会監事、京都作家協会理事
京都国際交総合流展副委員長、創工会12年度会長
京都精華大学非常勤講師   
                                                (記 : 2013年3月9日)

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