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館林源右衛門作・菊絵陶硯

館林源右衛門作・古伊万里菊絵図、陶硯(とうけん)です。





 











大きさは、幅:7.5cm、長さ:14.5cm、高さ:2cmほどで、共箱、栞付きです。

箱書きにあるように、「古伊万里菊絵」の陶硯で、恐らく、第6代館林源右衛門(たてばやしげんえもん)の時代のものと思われます。

所謂、「染錦手(そめにしきで)」と呼ばれている作品で、地を染付で焼いた後、赤絵、金彩で上絵付けをしたもので、古伊万里の技法の1つです。

6代源右衛門は、ドイツのドレスデン美術館で古伊万里の調査を行う等、伝統的な有田焼のひとつである、古伊万里の技法 を研究した人で、この陶硯にも、その技法の高さが示されています。

特に、背景がダミで埋められている部分があり、柿右衛門や今右衛門を意識しているのがわかります。

陶硯は、陶器で出来た硯で、実際には、摺り心地が良いわけではありませんので、装飾品としても、コレクションアイテムということでしょうが、中国でも、作られており、石の硯が出来る前は、この陶硯を使っていたんですよ。

もちろん、使用する気持ちにはなれませんので、観賞用として、大切にしたいと思っています。

下の小鉢は、同じく源右衛門窯染錦手の作品です。発色の良い染付に、よ〜〜〜〜く見ないとわからない程度の、茶色と緑色の上絵がつけてあります。これも、6代の頃のものだと思いますが、特に、上絵を入れることもないような気がしますが、「遊びこころ」があるのかも? 詳しくは、「古伊万里の里を訪ねて」をご参照ください。



★ 源右衛門窯とは ★

源右衛門は、柿右衛門、今右衛門と並び、有田の三右衛門と称されています。

その歴史は古く、250年以上前の、1753年、肥前有田郷・黒牟田皿山の是米木(ぜめき)で開窯となっています。有田外山の民窯として、主に、料亭用の食器を作っていました。

源右衛門窯を有名にしたのは、6代館林源右衛門で、家庭用の食器も作り始め、作品を皇室に買い上げられたり、ティファニーとタイアップしたりと、技と商売の両方に頑張り、二つの名門に並び称されるほどになりました。

残念ながら、6代目が亡くなってからは後を継ぐものがおらず、共同窯のような経営形態となり、伝統を守りながらも新しいものを作り続けています。

 源右衛門窯

★ 陶工 プロフィール ★

 第6代 館林源右衛門  (たてばやしげんえもん) 本名 : 金子源

1927年 佐賀県で生まれる
1945年 佐賀県立有田工業学校窯業科を卒業し、作陶に従事する。
1960年 6代・館林源右衛門を襲名する
1965年 古染風シリーズの製作を開始する
1970年 ドイツのドレスデン美術館で古伊万里の調査を行う。
1975年 帰国
1981年 アメリカ各地で個展を開催する。
1988年 国際芸術文化賞を受賞する。
1989年 心不全のため11月27日逝去。

                                                (記 : 2014年5月7日)

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