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勝連久誌作、米子焼(よねこやき)の窯変茶碗です。 大きさは、径:13.4cm、高さ:7.5cm、高台径:4.5cmほどで、共箱、栞付きです。 勝連久誌さんは、中国からの渡来品である曜変天目茶碗の復元にエネルギーを注いでいた人であり、その過程で、色々な窯変の技術を会得されたもののうちの1つだと思われます。 大変、珍しい赤色系の窯変茶碗で、辰砂系の天目釉 を使われているのでしょうが、濃い赤と窯変は、印象的です。 ★ 米子焼とは ★ 米子焼(よねこやき)は、沖縄県石垣島で焼かれている焼き物で、1980年に、勝連久誌さんが開窯した石垣島で最も古い窯元の一つです。 当初の10年は、曜変天目茶碗の復元にエネルギーを注いでいましたが、バブル崩壊後、遊び心たっぷりに大笑いするシーサーを作り始めて、人気の商品となっています。 その工房ですが、石垣島へ行って、国道79号線沿いを走れば、否が応でも目に飛び込んできてしまう、極彩色の不思議オブジェがいっぱいありますので、すぐに、工房を発見できます。 久誌さんは、沖縄本島出身、奥さんの幸子さんは石垣島出身ですが、当初、このシーサーを作り始めた時には、「こんなの、シーサーではない!」と、批判もあったようです。 伝統的なイメージを変えた、革命的なシーサーは、2010年夏、パリで開かれたポップ・カルチャーの祭典「ジャパン・エキスポ2010」に出展され、現地でも話題を集めました。 米子焼工房 では、「教訓茶碗」と呼ばれる不思議な茶碗も、人気で、底に穴が あいているのに、お水を入れてもなぜか変化がない。ところが、8分目以上入れると全部 こぼれてしまう。欲張り過ぎるとすべてを失ってしまう。という古人の教訓をいかした茶碗で、ネットショップなどでも売っています。 教訓茶碗 原理的には、下のような作りになっていて、元々は、古来からあったものを、米子焼工房が商品化して、有名になったということです。 米子焼工房は、かわいいシーサーと、この「教訓茶碗」の大ヒットで、現在は、広大な敷地に、「シーサーミュージアム」を建設中のようです。 出来上がるのは、平成31年の予定のようですが、出来上がったら、「世界珍百景」にでも、選ばれそうな奇抜さですね。 米子焼工房は、作家もの陶芸窯から、観光客向けものに商業化してしまっているのは、ちょっと寂しい気もします。開窯当時の、現在も、多くの人々が、挑戦している「耀変天目」への情熱も、持ち続けて欲しいですね。 「耀変天目」につきましては、「鎌田幸二作・油滴天目のぐい呑み」に、耀変天目の再現に挑戦した人たちを、紹介していますので、ご参照ください。 (記 : 2015年9月3日)
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