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エピソードと共に、その起源や、特徴を、ご紹介しています。意外な場所に、
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上神焼の不思議

上神焼(かづわやき)は、鳥取県倉吉市で作られている焼き物ですが、私にとって、どうも良くわからない焼き物で、困惑していました。

今回、明治期の上神焼(かづわやき)の上神山玉伯作の抹茶碗が、オークションで出てきて、益々、困惑度が上がっていましたが、色々と調べるうちに、こんな歴史なのかなぁ〜〜〜と思えるようになりましたので、
上神焼の不思議」として、アップさせてもらいました。



 「玉伯」の窯印と、「貴」の印?

上神焼が、私を困惑させていたのは、倉吉市不入岡の上神焼(中森伯雅)と、倉吉市上神の上神焼上神山窯(山根藤一)の2窯が、上神焼と名乗っていることに、気が付かなかったことからでした。

時々、見かける茶碗に、不入の印が入っていたり、色々な陶印があるので、すっかり、こんがらがっていたの
です。

そこで、色々と調べた結果が、下記のようなものですが、色々なものを、総合して見るとこうなるということです
ので、確かなものか?は、やや、あやしいと思ってください。(笑)

上神焼(かずわやき)は、古く、宝暦年間(1750年頃)に開窯され、伯尾山、伯州尾山と続き、明治に入り、亀玉、伯面、玉伯の名称で製陶されていましたが、一時廃窯しました。(完全に廃窯したのかは、不明)

平野洞雲に師事した、初代山根藤一が再興を願い、大正12(1923)年に、上神山の窯を開き、再興し、上神焼上神山窯となっています。

その作風は、その長い伝統と色鮮やかな辰砂の上神焼として、多くの皆様より好評を受けて参りました。
二代藤一(民也)は父藤一に師事し、辰砂はもとより油滴天目、金彩窯変等、新しい分野も得意とします。

また、昭和初期に、初代中森音吉も、上神焼として窯を開き、京風のつくりに、二代目三郎(不入)が地方色を加え、ロクロ味や釉薬に独特の芸風を継ぎ、三代目清(伯雅)が辰砂釉等の伝統を受け継ぐと共に、新しい手法で作品を創作しております。

現在は、この2窯が、上神焼を継承しているようですが、福光焼. 黒見焼. 倉吉焼八幡窯、玉伯焼、国造焼、
打吹焼等の窯も近くにあり、倉吉に1つの焼き物の里を、形成しています。

上神焼の特徴は、色鮮やかな辰砂釉ということなのですが、意外にも、辰砂釉の作品は、オークションでは
見たことがありません。ほとんどが、灰釉の作品です。

 上神焼上神山窯の作品

 上神焼の作品

辰砂釉は、うまく色が発色しない釉薬ですので、上の作品は、どちらも見事ですね。

山陰のこの辺りは、陸の孤島のようなところで、あまり行く機会はないのですが、温泉も近くにありますので、
鳥取市の因久山焼や、牛ノ戸焼と共に、一度、出掛けてみたいと思っています。
                                               (記 : 2010年2月14日)

追記 1:

この後、「上神焼の黒茶碗」と、「上神焼上神山窯の辰砂釉ぐい呑み」を、購入し、記事を追加していますので、ご参照ください。
                                              (追記 : 2010年5月22日)

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