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大井可笑作・佐野焼の香合

佐野焼(さのやき)玉祖窯(たまそがま)、大井可笑作の香合です。

佐野焼











大きさは、径が4.8p、高さ3pで、共箱付きです。馬のデザインがありますので、午年の干支香合だと思います。銘印は、「玉」が入っています。

佐野焼の作品は、オークションでも初めて見ましたので、入手しました。

この香合、萩焼とよく似ていると思いませんか?それもそのはずで、佐野焼の土は、萩焼の土と同じく、防府市佐野地区の西の山の向こうの大道(だいどう)で取れる土を使っています。

その為、大井可笑さんの作品は、萩焼として出品されていることも多いようです。

佐野焼は、山口県防府市佐野で焼かれている焼き物で、昭和30年代くらいまでは、たくさん窯があったそうですが、現在確認できるのは、玉祖窯のみではないか?と思われます。

山陽道30宮市(防府)〜小郡」で、玉祖神社(たまのおやじんじゃ)の近くに、玉祖のぼり窯跡」があり、佐野焼窯元大井可笑氏の家もその近辺にあって、作品が展示されて販売されているということが紹介されています。

建物の中には「茶道小笠原流宗家指定玉祖窯元大井可笑」の看板がかかっているそうです。

また、大井正則さんは、自らのHPで、「1953年、玉祖窯元に生まれる」とされていますので、恐らく、大井可笑さんのご子息で、現在は、妻の美智子さんと共に、山に近いところで、玉祖窯を継承されているのでは?と推察しています。

大井正則・美智子のWebサイトは、現在も更新中で、自らは、「萩焼作家」とされていますが、「佐野焼の歴史」や、「玉祖窯について」を、公開予定のようですので、更新を楽しみにしたいと思っています。

佐野焼は、基本的に素焼きの陶器ですが、玉祖神社の案内板には、仲哀天皇・神功皇后が西征の折参拝され、今の佐野焼の始祖といわれる沢田の長(おさ)に、三足の土鼎(どてい)(鍋)と、ひらか(央の下に皿という字)を作らせ、米を炊いて捧げるとともに、軍の吉凶を占われたと書かれていたそうで、この占いが占手神事(うらてのしんじ)として、連綿と今に伝えられているそうです。

山口県立山口美術館所蔵の、下の「佐野焼の三足」が、上記の土鼎なんでしょうか?



佐野焼については、「山口県防府の堀越焼」でも触れていますが、コピペになってしまいますが、「ほうふWeb歴史館」からの記述を繰り返しておきます。

★ 佐野焼 ★

江戸時代、佐野地区では約70軒の焼物師が焼物にたずさわっていました。佐野焼は叩き[たたき]とよばれる独特の作り方で、荒物[あらもの]とよばれる大型の壷や、小間物[こまもの]とよばれる土鍋などを作っており、主に日常生活で使う陶器を作っていました。

佐野焼の生産が最も盛んになった大正時代には、120戸の農家が農業をしながら焼物を作っており、組合も作られていました。この組合では、他の土地の人を雇わないことや、佐野以外の場所で窯を開かないことなどを取り決めて、伝統的な作り方が他の土地に流れるのを防ぎました。

作られた製品は佐波川から船で県内外の市場に運ばれました。瀬戸内海沿岸や島根県西部、北九州一帯、
遠くは朝鮮半島にまで販売をひろげました。

しかし、戦後になると、焼物がプラスチックなどの製品にとってかわられるようになったために生産量が減少
して、窯も減っていきました。



山口県防府市には、佐野焼の他、堀越焼末田焼という焼き物があり、一時のような繁栄はないようですが、消え去る前に、一度、防府市を訪れて、見学しておきたいと思っています。
                                                (記 : 2012年2月14日)

追記 :

2012年4月23日、大井可笑さんの玉祖窯を訪れました。その際の紀行を、「堀越・末田・佐野焼の里を訪問A」にまとめましたので、ご参照ください。

★ 陶工 紹介 ★

大井 可笑(おおい かしょう)

昭和3年生まれ

写真は、2012年4月23日、窯元にて
撮影。(84歳)













                                             (追記 : 2012年4月26日)

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