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エピソードと共に、その起源や、特徴を、ご紹介しています。意外な場所に、
意外な、お宝があるものです。画像と共に、うんちくも、お楽しみください。 

橋野翠史作・桜島焼のぐい呑み

桜岳(おうがく)陶芸窯橋野 翠史作の、桜島焼ぐい呑みです。











大きさは、径:6cm、高さ:5.5cmほどで、共箱付きです。

桜島焼特有の、ざらざらとした地肌に、部分的に「銀彩(ぎんさい)」と名付けられた模様が入っています。ちょっと感じは、石川県の珠洲焼に似ていますね。(「能村耕作・珠洲焼の酒器セット」参照)

この模様は、鉄分の多い鉱物含有資源を含む陶土が、1300度の高温で焼締められた為に出来る偶然の模様ですので、備前焼と同じように2つと同じ模様はありません。

窯元の説明では、「桜島焼の器に焼酎やお茶を入れておくと、鉄分を多く含む陶質ゆえに、鉄イオンが飲み物の味をソフトにし、味わい深くしてくれます。」ということですが、こちらの真偽のほどは、どうでしょうね?

桜島焼(さくらじまやき)は、鹿児島県鹿児島市桜島で焼かれている焼き物で、もともと「白薩摩焼」の窯元として創業した桜岳陶芸(おうがくとうげい)ですが、現陶主の橋野 翠史(はしの みどり)さんが、昭和60年前後の桜島の火山活動がとても活発であった時期に、陶土に桜島の火山灰を加え、ボウリングを行って掘って出た鉄分を多く含む温泉水を使って焼いたところ、今までにない独特の渋みをもつ、複雑な色彩の焼き物が出来上がり、これが、「桜島焼」となっています。

 鉄分を多く含む温泉水

私は、先の薩摩焼のページでも述べた通り、学生時代を、鹿児島で過ごしましたので、この「桜岳陶芸」も、記憶の片隅にあり、溶岩野原の中の窯元だったと記憶していますが、当時(昭和50年〜55年)は、まだ、白薩摩のお土産品だけが作られていた頃なんですね。(「白薩摩と黒薩摩」参照)

 桜島

 窯元

 展示室

桜岳陶芸(おうがくとうげい)は、活火山「桜島」の麓にあり、創始者(お父さん)の志を受け継いだ、橋野 翠史(はしの みどり)さんと、横道ひろみさんの娘姉妹、翠史さんの娘、美穂香さん、他三名の女性だけで運営している窯元です。(「桜岳陶芸HP」参照)

女性らしい、やさしい食器がメインで、特に、鹿児島名物の「黒千代香(くろじょか)」と呼ばれる焼酎の燗付け器を、薩摩芋をモチーフにしたデザインのものは、特に人気のようです。(桜岳陶芸では、「いも千代香」と呼んでいるそうです。)

 「いも千代香」

実は、鹿児島は、焼酎を飲む文化の土地柄、ぐい呑みを使わないため、薩摩焼には、ぐい呑みが少なく、磯お庭焼が、観光客用に作っているくらいです。私の買ったぐい呑みも、鹿児島の人たちに使われるものではなく、ぐい呑み収集家や、観光客相手の商品ということになりますが、桜島焼は、中々、市場に出てこない焼き物ですので、大切にしたいと思っています。

尚、同じ、鹿児島市桜島赤水町には、「桜島溶岩焼」(村山陶芸)という焼き物もあって、こちらは、釉薬に火山灰を使うことにより、黒い光沢を持つ焼き上がりになっています。

 桜島溶岩焼

★ 作家 プロフィール ★

 橋野 翠史 はしの みどり

父の志を継ぎ、陶芸の道に入る。

昭和60年頃、桜島焼を生み出す。

妹の横道ひろみさんと、娘の美穂香さんで、桜岳陶芸を
経営。
             


                                                (記 : 2012年2月4日)

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