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2013年10月5日に、ラオスの首都、ヴィエンチャンの骨董店で買った、安南赤絵(あんなんあかえ)の茶壺です。 大きさは、最大径:11cm、高さ:13cmです。安南焼独特の貫入(かんにゅう)もみられ、絵柄は、菊唐草文で、赤、緑、黄色の上絵が付けてあります。蓋の図柄には、まだ、中国の影響を受けている部分がありますので、時代は、恐らく、明時代の末期(江戸時代初期、1600年代)の頃のものだと思います。割れ欠けなく、良い状態で、良いものが手に入ったと喜んでいます。(時代については、追記:「なんでも鑑定団に出品された安南赤絵 」参照) 安南焼(あんなんやき)は、ベトナムのハノイ近郊の陶都バッチャンで作られている焼き物で、安土桃山時代から、御朱印船貿易で、日本へも伝えられ、中国の焼き物よりも、伸びやかな、自由なタッチが、当時の茶人に人気があったことから、当時のベトナムが、「安南」と呼ばれていたことに因み、「安南焼」と名付けられ、当時の安南焼は、日本でも多く伝世しています。(「ホーチミンで、安南焼をゲット!」参照) 安南焼の多くは、にじみのあるコバルトで文様を描いた青花(せいか)(染付)ですが、今回のような赤絵のものも、結構あり、日本でも、伝世しているものも多いようです。 ラオス は、地理的に、ベトナムに隣接しており、しかも、安南焼の産地であるバッチャンには、ホーチミンよりも近いこともあり、私が訪れた骨董屋の品物の多くは、タイや中国の焼き物でしたが、その中に、ベトナムの焼き物も少しありました。 骨董店内 実は、折角ラオスに来たのだからと思って、ラオスの焼き物を探していたのですが、ラオスの焼き物は、元々、有名な窯場がなく、メコン川沿いに、土焼き程度のものを焼く窯がほとんどです。同じ骨董店で、ラオスの土器を見つけたのですが、ものも大きく、買うのを躊躇っていたのですが、一応値段を聞いてみることにしましたが、残念ながら、これらは、「非売品です」という答えでした。 ラオス土器 事前に、ラオス国立博物館 へ行って、どんな焼き物があるのか?をチェックしていましたので、ベトナムの安南焼や、タイのスワンカローク焼のようなものは、期待していませんでしたので、今回は、このベトナムの安南赤絵を選びました。 国立博物館 ラオス国立博物館は、国立といっても、2階建ての小さな博物館で、入場料は、10000キープ(130円程度)で、古代の石器から、時代を追うように展示されていますが、展示品も少なく、特に、焼き物は、少なかった印象です。「タイの陶磁器」でお話しした、「バンチェン土器」が幾つかありましたが、いずれも、損傷が激しく、独特の赤い彩色がされていたものも、1つしかありませんでした。 特徴的だったのが、陶器でできたキセルが、幾つかあったことで、博物館では、初めてみました。(残念ながら、館内は、撮影禁止で画像を撮ることはできませんでした。) 「たばこの文化拝見」で、『キセルの語源は、カンボジア語のクッシュル(パイプ)と言う言葉があり、それがなまってキセルとなったというのが正しいとされています。』と、記していますが、ラオスは、カンボジアと一番文化的に近いとされていますので、たばこが、西洋から伝わる前から、何らかのものを、キセルを使って、吸っていたのかもしれませんね。カンボジアを訪れる機会があったら、是非調べてみたいと思っています。 こちらは、ヴィエンチャンのショッピングセンターで買った、現代のキセル2本ですが、こういったものが未だに売られているということから、ラオスでは、「キセルの文化」が、定着しているのだと思われます。(大きいのが、1100円くらい、小さいのが、850円くらいでした。) こちらは、ヴィエンチャン空港で買った、水パイプです。 少し古いものですが、それでも、20〜30年前のものだと思います。恐らく、たばこ(又は、似たもの)の質が悪いので、水を潜らせることで、マイルドにしたものと思われます。(値段は、1500円くらいでした。) ラオスは、大変落ち着いた感じの国で、メコン川の水の恩恵を受けて、電力、水が豊富で、人柄もやんわりとしていて、温和です。フランス領でしたが、フランスも、ベトナムのようなフランス文化の建物をここに作ることはしなかったようで、フランス風の建物もありません。仏教国ですが、タイやミャンマーと比べると、それほど仏教の影響を受けているようでもありませんでした。 タートダム 上の画像は、私が、滞在したホテルの近くにあった「タートダム」という仏塔ですが、拝みに来ている人は、少なく、上の方には、雑草も・・・・・ ラオスの治安がいいという象徴が、ATM です。市内のいたるところにあるのですが、歩道上にも・・・・日本であれば、翌朝には、すべてのATMが、盗まれているであろうような無防備の状態にありました。(笑) 歩道上のATM 上のATMは、建設現場の出入り口に・・・・しびれます!(笑) いたるところに、こんな感じでATMがあって、強盗などが起こっていないということです。しかも・・・・・私は、6日間の滞在中、1回も警察官に会いませんでしたし、クラクションを鳴らす車にも、出会いませんでした。 まだ、悪賢い連中が入り込んでいない、「昔ながらの国」なんでしょうね。(日本もかつては、家の鍵を閉める必要のない国だったんですけどね。) ちなみに、公務員のワーキングアワーは、午前7時から、午後4時で、日の出と共に、働き始め、日の入りと共に、1日を終えるという生活が定着しているようです。 ヴィエンチャンは、東南アジアの中では、人口60万人と、最も首都らしくない小さな首都で有名です。こじんまりとした都市でしたが、夜でもホテルから歩いて活動の出来る安全な町でした。こんな平和な国を、異国人が壊してほしくないなと強く願ったしだいです。 (記 : 2013年10月8日) 追記 : 「なんでも鑑定団に出品された安南赤絵」 調べてみると、私の大好きな番組である、「お宝、なんでも鑑定団」に安南赤絵が出品されていました。 解説の安南赤絵の図柄が、私のものと同じでしたので、私の茶壺も、安南赤絵であることを確信しました。 上記2点は、黄色がすでに飛んでいますが、私のものには、まだ、薄く黄色が残っていますので、より良いものでは?なんて、勝手に思っています。(笑) 上記画像は、「なんでも鑑定団お宝情報局」からのもので、番組中の解説も、丁寧に書いてありますので、ご参照ください。 (追記 : 2013年10月15日)
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