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墨のはなし

墨に関するお話が、バラバラにアップしていましたので、このページにまとめてみました。他のページと重なる内容もありますが、ご了解を!
 

目   次

 墨の基礎知識  高い墨と安い墨との差は?
 墨の種類(生産地で分ける)  墨の保管方法はどうすればいいの?
 墨の種類(原材料で分ける)  唐墨と和墨の大きさの違いは?
 墨の作り方を学ぶ  和墨いろいろ
 古墨(こぼく)とは?  墨に金箔が貼ってあるものがあるのは何故か?
 仿古墨(ほうこぼく)とは?  100円ショップの墨は使えるか?
 良い墨の見分け方は?  

 墨の基礎知識 ★

(すみ)とは、菜種油やゴマ油の油煙や松煙から採取した(すす)を、香料と(にかわ)で練り固めた物(固形墨)、またこれを硯で水とともに磨りおろしてつくった黒色の液体をいい、書画に用います。

また墨を液状にしたものを墨汁(ぼくじゅう)または墨液と呼びます。

墨の起源は、中国、殷の時代(紀元前1,500年頃、約3500年前)にさかのぼります。漢の時代に入り、後漢(25〜220)の時、105年に蔡倫(さいりん)が紙を発明し、これに伴ない墨の需要が急速に高まり、現在ある墨の原形となるものが生れ、唐の時代(618〜907)には、今日の墨の形が整えられました。

日本へは、硯と共に、飛鳥時代に、中国から伝わったと思われ、奈良時代には、奈良で墨の製造がはじまり、平安時代には、丹波、播磨、大宰府、紀州辺りでも、製造されるようになりました。

室町時代には、宋から伝わった、原料である「すす=煤」を、植物油を燃やして採る油煙墨(ゆえんぼく)を、製造することができるようになり、墨の品質が格段に良くなっています。

現在の墨の産地は、奈良県が圧倒的で、9割のシェアを持っています。その他、三重県でも作られています。

中国の墨の歴史や、産地については、「唐墨の油煙墨と松煙墨 」にありますので、ご参照ください。

 墨の種類(生産地で分ける) ★

日本で使われている墨は、主に、中国産と日本産です。中国産の墨を、「唐墨」(からすみ又はとうぼく)、日本の墨を、「和墨」(わぼく)と言っています。

基本的には、墨は、中国から日本に伝わりましたから、作り方は同じですが、中国と日本の気候や水の違いや、国風文化、仮名文字の発展などから、その後の過程で、幾つかの違いが出てきたようです。

主な違いは、下記の通りです。

@ 使用する煤と膠の分量の違い

その大きな特徴は、煤と、にかわの分量の違いです。概ね、煤に対するにかわの分量は、下記の通りです。

  和墨は煙煤と高粘度の膠が 10対 6。
  唐墨は煙煤と低粘度の膠が 10対12。

唐墨には、日本の約2倍の膠(にかわ)が多く含まれています。これは、中国では粘性の低いにかわを使用しているためで、使う水も硬水であることも影響しているそうです。(日本は、軟水です。)

A 煤と膠の練り合わせ方の違い

煤と膠を練り合わせる際、日本では、足や手を使って、まさしく練り合わせています。

 日本では、足や手を使って練る。

しかし、中国では、その墨の塊を大きな金槌で何百回も叩いて練り合わせます。打つことで 膠はへたり(弱くなる)、粘りが弱く なって磨った時に筆の滑りが良くなるといわれています。

 中国では金槌で叩く

その結果、唐墨の、文化大革命以前の唐墨の寿命は長く、宋、明や清の時代に作られた「古墨」と言われる名墨は、長く使用に耐えますが、一般的に、和墨の寿命は、短い(最長50年程度)とされています。(文化大革命後の唐墨は、職人気質の低下、膠の材料等の劣化で、以前のような高品質ではないと、いわれています。)

また、唐墨は、日本の気候、湿度と合わないために、日本で使う場合、「よく割れる」傾向もあるようです。

唐墨は、古くから日本へも輸入されており、最高級レベルの油煙101では、「鉄斎翁書画宝墨」や、「大好山水」が、油煙104では、「紫玉光」辺りが、今でも日本で広く愛されて使われています。



尚、上の画像の「鐵斎翁書画寶墨」につきましては、「鐵斎翁書画寶墨の不思議」にまとめてありますので、ご参照ください。

和墨は、奈良県産のものがほとんどで、現在でも、昔ながらの製法にこだわって、製墨をしている墨廠が、幾つもあります。

尚、一般的に、「唐硯には、唐墨が、和硯には、和墨が合う」といわれています。

墨の種類(原材料で分ける) ★

墨の種類を原料の煤の種類で分けると、次の3つになります。

@ 油煙墨(ゆえんぼく)

菜種油やゴマ油、大豆油、ツバキ油、キリ油などの液体油を使って作ったもので、煤の粒子が細かく均一で、黒の色はつやと深味のある純黒で、硯あたりも滑めらかで、墨のすり口を見ますと強い光沢があり、よい油煙墨ほどこの光沢が強くなります。

淡墨にすると茶味を帯びているため「茶墨 」とも言います。墨が古くなっても色の変化はほとんどありません。

  

A 松煙墨(しょうえんぼく)

松の木片を燃焼させて煤を採取して作ったもので、燃焼温度にむらがあり、粒子の大きさが不均一で、大きいことから、重厚な黒味から青灰色に至るまで墨色に幅があります。

また、青みがかった色のものは「青墨(せいぼく)」と呼ばれています。墨色は艶がなく、時間の経過により色が青黒化します。

油煙墨と、松煙墨の墨の色の違いは、YouTubeの「墨の色ー油煙墨と松煙墨 」にありますので、ご参照ください。

中国の松煙墨は、中国安徽省の深山幽谷で知られる黄山(こうざん)で採取した松煙を原料とし、歙県で、膠と香料を混練りして型詰めされた「黄山松煙」が、特に有名で、深みのある気品ある青みがかった黒色が特徴です。詳しくは、「唐墨の油煙墨と松煙墨」をご参照ください。

  

日本の松煙墨では、紀州松煙が有名でしたが、戦後、材料の入手難やコストの安いものに押されて、一時途絶えていましたが、現在は、墨工房『紀州松煙』の堀池雅夫さんが、1988年に脱サラして、奥さんの実家の墨屋を継ぎ、紀州松煙を復活させています。

また、日本の墨の90%のシェアを持つ奈良でも、松煙墨は、作られています。

B 改良煤煙墨(洋煙墨)

鉱物油(重油等)やカーボンブラック(石炭煤)などを原料にした墨で、工業化が進んで、そういった煤が取れるようになったことから、1970年代頃から、廉価な墨に使われるようになったようです。

粒子は、大きく不均一で、墨の色は、薄い茶色です。和墨には、あまり見かけられないようですが、現代の中国産の廉価な墨には、一定の割合で、混ぜられていると思われます。

それでも、墨汁を使うよりも、この墨を擦って使う方が、墨味が良いとされています。

 墨の作り方 ★

上記で、墨は、「菜種油やゴマ油の油煙や松煙から採取した(すす)を、香料と(にかわ)で練り固めた物」と簡単に説明していますが、どうやって作るんだろう?と思ったことはありませんか?

YouTubeに、「奈良の伝統工芸ー墨ー」というのがあって、詳細に説明されていますので、ご参照されると良いと思いますが、大きな流れは、下記のようになっています。

私も、その作り方を知って、びっくりでしたので、取り上げてみました。

 

 

素焼きの皿で、植物油を燃やしてできた
煤(すす)を集めます。 

もう1つの原料である「膠(にかわ)」を
湯煎に掛けて溶かします。 

 

 

煤(すす)に、膠(にかわ)と水を混ぜて
練り合わせます。

墨の型を用意します。 

 

 

墨の型を組んで、練り合わせたものを
型詰めします。 

型から外した墨を、長期間掛けて、
ゆっくり乾燥させ、化粧をして完成です。 


大変な労力と、時間を掛けて、1つの墨が出来上がっています。大切に使いたいですね。

 古墨とは? ★

Wikipediaによりますと、『古墨(こぼく)とは、文房四宝における墨の中で、製造されてから長い年月を経ている ものをいい、品質の良い墨とされている。通常、唐墨は清時代までに、和墨は江戸時代まで につくられたものを古墨と称す。』とありますが、ただ、古いだけでは、「古墨」とはいえないようです。


   明代萬歴年間 呉申伯 百老図墨 (出典:Wikipedia)

「唐墨と和墨の違い」で、「宋、明や清の時代に作られた「古墨」と言われる名墨は、長く使用に耐えますが、一般的に、和墨の寿命は、短い(最長50年程度)とされています。」と話しましたが、その鍵は、膠の蛋白質にあるようです。

所謂、「墨の枯れ 」は、言い換えれば、膠という蛋白質の自然界における分解の過程であって、膠を「腐らず」に、長く生かすことができれば、墨枯れが起きず、「古墨」としての、条件の1つを満たすということなのだと思います。

膠の大敵は、「高温多湿」で、気温30度、100%の湿度の条件では、1カ月ともたないそうです。

現在の奈良では、製墨を、膠の腐らない秋から冬にかけて行っているように、日本の夏のような高温多湿は、膠にとって最悪の条件のようです。日本の気候と、膠の性質が、和墨の寿命が短い原因のようですね。

一方、中国内陸部は、湿度が低いため、膠の蛋白質の分解が遅く、また、墨玉を作る際に、金槌で何度も叩いて、膠の組織を切っているのも、寿命の長い墨になる秘訣のようです。

「古墨」と言われているものは、良い墨を大切に、湿度、温度を低く保った状態で保管してきたことの現れではないか?と思います。

こういったことから、古墨とは、「製造されてから長い年月を経ていて、完全に膠の生きているもの 」と言っていいのではないでしょうか?

 仿古墨(ほうこぼく)とは? ★

仿古墨
(ほうこぼく)とは、古墨にみえるように化粧を施された墨のことで、古墨を真似て作ったものです。(模倣古墨→ホウ古墨?)

中国においては、仿古墨は、清朝時代の、康熈、雍正年代、乾隆時代、嘉慶、道光年間に作られたものが多く、明朝時代や清朝初期の名墨を真似たものが多いようです。その後も、中華民国時代まで、仿古墨は作られています。

 日本においても、江戸時代には、唐墨の形とデザインを転用した模造が行われていて、明治時代まで続きました。

いずれの場合にも、偽物を作ろうというつもりで作っているのではなく、焼き物でいう、「写し」と同じで、良いものから、学び取ろうとして作っていますので、一概に粗悪品と決めつけることは出来ません。

ただ、問題は、流通の過程で、「写し」が、「本歌」と混ぜ合わされてしまっているということです。専門家が見れば、すぐにわかるものだそうですが、実物を見たことがない人では、難しいようです。焼き物の真贋を見分けるのと同じですね。

こちらは、清朝乾隆時代に、活躍した汪近聖の長男、汪璽藏の作とされる「千秋光 」の仿古墨 です。

  

歙曹素功堯千仿古法製」とあり、デザインは、本歌とは、全く異なり、曹素功堯千が、「千秋光」の品質を研究して作ったものと思われます。

下の古墨は、胡開文製の「千秋光」の仿古墨で、デザインは、オリジナルのものと同様のものですが、大きさが、全く違います。「郁文斎監製」とありますので、仿古墨だと表示しているようです。

          アマゾンで新品も!(笑)

名墨の多い乾隆時代は、清朝の中でも、最も栄えた時代ですので、「乾隆」は、ネームバリューがあります。焼き物の世界でも、そうですが、「乾隆年製」には、注意が必要のようです。(笑)

 良い墨の見分け方 ★

一般的に良い墨とは、密度が高く、十分に乾燥していることが条件となります。

その結果、

@ 持った感じで、重量感を感じるもの
A 叩いた時に、高い音がするもの
B 木型の木目がついているもの (職人の腕が良い)

と、されています。

 高い墨と安い墨の差は何? ★

人件費と材料費の違いによって、墨の値段の差が出てきます。

@ 職人さんの技量の違い

高い墨は、熟練職人が作ったものであり、安い墨は、経験年数の少ない職人さんが作ったもの。そして、機械化されているものが一番安くなります。

A 材料費の違い

最もコストに影響するのは原料の煤の価格の違いで、学童用のKg当たり5〜600円の煤から、手焚き油煙(植物性油煙)のKg当たり5万円前後の物まで、さらに高価な純植物性松煙などその差は百倍以上になるそうです。

しかし・・・・高いコストが掛かっている高い墨=良い墨ということではないようです。低コストの墨にも、品質の良い墨もありますので、選ぶ際に、値段で選ぶのは、良くないようです。

一般的には、「粒子の細かい根底の赤みの強いものが高価な墨」で、淡墨における透明感の出る墨は、技術的にも難しく、高価になるそうです。

 墨の保管法はどうすればいいの? ★

墨は、「煤と膠」を原料としていますが、特に膠は、湿気の多い日は水分を取り込み、乾燥した日は放出し、自然環境に対応して変化しています。

急激な温度・湿度変化、例えば、直射日光の当たる所、湿気の多い所、冷暖房機の風が直接当たる所は、最も嫌う場所です。高温、多湿の場所では、カビや腐敗の原因になりますし、乾燥した場所では、割れの原因になります。

保管は、四季の影響の少ない所が理想的で、家の中では、引き出しの中や、箪笥の中が好条件です。また、少しお値段の高い墨が入れられている専用の桐箱は、同様の好条件を持っています。気密性の高い場所も良くありませんので、タッパーのような密閉容器での保管はNGです。

私は、下の小さな木製の小物入れを墨の保管庫として使っています。桐箱に入れて、引き出しに入れておいています。

 

 唐墨と和墨の大きさの違いは? ★

墨の大きさは、中国も、日本も、大きさではなく、重さで、表します。

唐墨は、一丁ものが、約500gで、1/2の約250gが、2丁もの、1/4の約125gが、4丁もの、1/8の約63gが、8丁もの、1/16の約31gが、16丁ものと呼ばれます。

また、近年は、約30g=1両を使うことも多くなってきていて、1両は、16丁ものに該当します。

和墨は、15gを一丁型とし、30g=2丁型、45g=3丁型、75g=5丁型、120g=8丁型、150g=10丁型・・・・となっています。

和墨のサイズは、一丁型は、概ね、7〜7.5cm、2丁型は、8〜8.5cm、3丁型は、11cm程度、5丁型は、13〜13.5cm、10丁型が、18cm程度と覚えておいても、良さそうです。

一丁型(15g)の和墨を作る際には、後に乾燥させて、水分を抜きますので、木型に入れる時には、25gを入れるそうです。10gが水分として、乾燥していくということになりますね。

出来上がった墨の重さの計算は、体積X1.2で、縦・横・高さを掛けて、1.2倍したものが、重さになります。

 私の和墨 ★

これは、奈良で、文化2年(1805)創業の墨運堂造の油煙墨の「さわらび」です。一丁型の油煙墨で、大きさが、約7.5cmx2.0cmx0.8cm、重量:約15gです。

 奈良県産の墨は、全国の9割のシェアを誇る。


                       奈良産の油煙墨

「さわらび」は、現在でも、主力商品として、墨運堂で作られています。

   

こちらは、ちょっと古そうな、奈良にある日本製墨製造の「飲中八仙」です。





大きさは、幅:2.6cm 長さ:10.9cm 厚さ:1.3cm程で、重さが45gですので、3丁型ものということになります。春光園製」とありますが、「春光園」は、日本製墨の製墨業での屋号だそうです。

日本製墨さんは、明治中期、坂倉文五郎が創業し、大正9年には、江戸時代創業の老舗宮武春松園 ・ 大森玉翠堂 ・ 中林篤老園 ・ 上田令光堂 ・ 符坂玄林堂 ・ 符坂玄勝堂 ・ 祐岡栄松園 ・(松煙業) 宮竹佐兵衛が合併し、「大日本製墨」となりましたが、昭和8年に解散、その後は、日本製墨合資会社として、事業を継続し、平成24年、日本製墨書遊となっています。

箱には、値段が「\1,500」となっていて、、消費税が導入される前のものになりますので、少なくとも、1989年以前のものになり、25年以上前のものになりますね。

下の墨は、古梅園製の1976年製の「飲中八仙」ですが、図柄が一緒ですね。(こちらは、10丁型です。)

いずれも、明時代の名墨匠、程君房(ていくんぼう)の「飲中八仙 」を題材にしたもののようです。

菜種油煙の中でも最も粒子の細かな煤と、よく枯らせた特に上質な膠を原料として造 られた最高級油煙墨だそうですので、違いを確かめながら、使ってみたいと思っています。

最近は、このような型模様のある墨が減ってきているので、大切に保管しておこうと思っています。

こちらは、戦前のものと思われる春光園製の「神童」です。



大きさは、長さ:83mm、幅:23mm、厚さ:10mmほどで、1.5丁型の古墨です。

定価金弐拾銭」とありますので、戦前の昭和10年頃のものではないか?と思われます。当時の物価を計算すると、今のお金で、360円〜500円くらいになりますので、名前の「神童」からも、学童用の墨だったのかもしれませんね。(「和墨いろいろ 」参照)

 墨に金箔が貼ってあるものがあるのは何故か? ★

墨によっては、金箔で覆われているものをみることがあります。何故なんだろう?と思ったことはありませんか?恐らく、墨を豪華に見せるための装飾と思われた方が多いと思います。

もちろん、装飾の効果もあるでしょうが、墨と金の科学的な関係もあるようです。

墨の中に金箔を入れるようになったのは、「乾隆御墨の製法」と言われるマニュアル本にも記載されているそうですので、清時代の乾隆帝の時代には、すでにあったようです。

上海墨廠時代の最高級ランクの「油煙101」の墨に混入されている金箔は、当初の規格では、1斤(500g)につき8枚であるといいますから、一枚で20〜30mgくらいの重さしかない金箔を、500gの墨に8枚ほど入れても、0.04%にしか過ぎません。

これくらいの金箔を入れたくらいで、どの程度、墨に影響するものでしょうか?

実は、金が墨の中に入ると、金が触媒のような働きをして、墨を滑らかにし、墨色にはっきりとした効果が出てきて、艶が良くなり、色の深みが増すのだそうです。しかも、含有される金の量が多いほど、その効果が出てくるそうです。

豪華に見せるための装飾だと思われていた金箔ですが、こんな効果があったんですね。

 100円ショップの墨は使えるか? ★

上記のように、墨には、色々な種類と品質のものがありますが、100円ショップでも、売っています。下のものが、ダイソーで買った墨です。中国製で、1丁型サイズです。



早速、擦って使ってみました。特に、擦る際には、違和感はありませんでしたが、書いてみると、やや墨の色が薄く、墨味は、伸びがないような感じました。

下の墨は、今、メインで使っている、同じく中国製の墨で、中華工芸館造、大きさは、 7.5pX1.5cmX0.9cmですが、こちらの方が、墨の色が濃い印象です。



そこで、擦った部分を比較してみると、下のような感じになります。



油煙墨の「中華墨宝」が、つるつるなのに対して、100円ショップの墨は、ザラザラといった感じです。恐らく、使用している煤の粒子が、「中華墨宝」の方が、細かいということだと思います。

粒子の細かい油煙を使ったものが、高級であるとされていますので、こうやって比較すると、良くわかるのかな?と思います。

尚、粒子の大きい煤を使う、「松煙墨」も同じようにザラザラした感じになりますが、今では、松煙煤は、コストの掛かる煤となっていますので、100円ショップの墨は、鉱物油やカーボンブラックなどを原料としている改良煤煙墨(洋煙墨)ということなんでしょうね。
                                                (記 : 2014年6月1日)

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