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エピソードと共に、その起源や、特徴を、ご紹介しています。意外な場所に、
意外な、お宝があるものです。画像と共に、うんちくも、お楽しみください。 

八寸と懐石料理

杉木地の八寸(はっすん)です。











大きさは、縦:約23.5cm、横:約23.2cm、厚さ:約3.8cmほどで、紙共箱付きです。杉の片木(へぎ)で作られている八寸です。

使用された跡が見られますが、2カ所、対角に跡がありますので、きちんとした茶懐石の作法に従った使い方がされたようですね。

懐石道具の1つとして、購入しました。

★ 八寸とは ★

八寸とは、懐石に用いる器の 一つで、山海の珍味を盛り合わせる八寸角(24cm)の四方の杉の片木盆(へぎぼん)のことで、へぎ目のある杉木地を用いています。

他にも、色が塗られた塗八寸や、やきものの八寸もあります。

亭主と客が、酒の献酬 (けんしゅう)をする際に、(さかな)として、珍味などを盛った八寸を亭主が持ち出し、客に一人ずつ取り分けます。動物性のものと、植物性のもの2種を盛ることが多いようです。

 盛り付け例

★ 懐石料理とは ★

懐石料理とは、日本古来の一汁三菜〔いちじゅうさんさい〕という食法を基本にした料理で、通常は茶の湯の席でお茶をいただく前に出されるものです。

茶会の席上で空腹のまま刺激の強い茶を飲むことを避け、茶をおいしく味わう上で差し支えのない程度の、和食コース料理を指しています。

懐石料理には、「旬の食材を使う」、「素材の持ち味を活かす」、「親切心や心配りをもって調理する」という三つの大原則があります。

茶道の創始者である千利休〔せんのりきゅう〕が、安土・桃山時代に茶道を確立していく中で、茶を美味しくいただくために創りました。

茶懐石のフルバージョンは、このようになります。



★ 一汁三菜とは ★

茶懐石では、飯・汁・向附・煮物・焼物までを一汁三菜といいます。これに、箸洗い・八寸 ・香物・湯斗を加えた、 茶懐石のもっとも基本となる構成全体をさして、一汁三菜という こともあります。

 一汁三菜の基本形

 盛り付け例

★ 向付とは ★

向付(むこうづけ)とは、懐石料理などの日本料理において、 手前におく飯碗や汁碗に対して、向側に置かれる簡素な料理を盛る器、またはその料理のことです。

魚の刺身や膾(なます)などが盛り付けられることが多いようです。


               織部皿に盛られたのが、向付。

★ 箸洗いとは ★

懐石で、一汁三菜のあと、酒の献酬(けんしゅう)をする前に出す、口直しの吸い物で、ごく薄味の汁物を小さな椀に入れて出すものです。

 箸洗い例

私の秀衡塗の吸い物椀のような小さな器で、お出しします。(「秀衡塗の小吸椀」参照)



★ 香物・湯斗とは ★

湯斗(ゆとう)とは、湯桶とも書き、お焦げ(湯の子)や炒った米にお湯を注いで薄塩を加えたもののことで、飯に湯の子を乗せて、番茶やほうじ茶で「お茶漬け」にする場合もあります。

香物(こうのもの)とは、漬物のことで、3〜5種を盛ってあり、向付の器で取り回します。

懐石料理の締めとなるもので、これで、懐石は終了です。



お道具としての湯桶は、「輪島塗の湯桶」をご参照ください。

 私の湯桶

茶の湯で、意外と知られていないのが、お酒(日本酒)をいただくことと、たばこを一服することです。(「たばこの文化拝見(たばこ盆)」参照)

酒、たばこは、現代では、「悪の代表格」として、目の敵にされることになっていますが、実は、「おもてなし」の代表のような存在なんですよね。もっと理解して欲しいものです。 (笑)
                                                (記 : 2014年10月2日)
最終更新日 : 2016年1月29日

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