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近重治太郎作・小代焼の煎茶碗

3代近重治太郎作、小代焼(しょうだいやき)の煎茶碗6客揃いです。





 「小代」







煎茶碗の大きさは、径:5cm、高さ:4cmほどで、6客揃っていて、共箱、栞付きです。

箱書きの書体が、息子に熊本市健軍(けんぐん)にある、「健軍窯(たけみやがま)」で買って、その場で箱書きをしていただいた平盃のものと同じですので、3代近重治太郎の作品だということになります。(「3代近重治太郎作・小代焼の平盃」参照)

近年は、抹茶の薄茶を毎日いただくようにしていますが、煎茶にも興味が出てきて、煎茶に関するお道具を揃えてみようかな?と思い、購入しました。

煎茶碗の場合、朱泥、紫泥、萩焼、京焼、有田焼などが、よく使われますが、小代焼のものは、珍しいですね。

小代焼及び、3代近重治太郎についての解説は、「小代焼の飯茶碗・平盃 」をご参照ください。

★ 煎茶とは ★

煎茶(せんちゃ)とは、緑茶と呼ばれる、摘み取った直後に発酵を止める不発酵茶のうち、新芽が出てから摘み取りまでずっと日光を浴びせて育てたもののことを言います。

特徴は、程よい渋みと爽やかな香りがあり、すっきりとしていて、日本のお茶の流通量の80%以上を占める一番愛飲されているお茶で、一般的に、日本茶と言っているお茶のことです。

★ 日本の煎茶道 ★

煎茶道(せんちゃどう)とは、急須や宝瓶等を用いて、煎茶や玉露などの茶葉に湯を注いで飲む形式を採り、型や物よりも自由な精神を重んじ、煎茶を味わいながら人との対話や書画を楽 しむことに重きを置いています。

形式は、明時代の中国よりもたらされたもので、中でも承応3(1654)年に来日した、隠元隆g(いんげん・りゅうき/1592〜1673年)は、煎茶を飲むための道具を携え、煎茶を愛好していたことで知られています。

そのため、煎茶道の開祖は、四代将軍家綱にも招かれ、京都の宇治に黄檗宗の黄檗山萬福寺を開いた、この隠元隆gとされています。

その頃、煎茶自体が、当時の最新の中国文化であったことなどから、形式にとらわれずに煎茶を飲みながら清談を交わすいわゆる「煎茶趣味 」が文人の間で急速に広まりました。

 こうした風雅な煎茶を人々に広めたのが、中興の祖、売茶翁(ばいさおう/1675〜1763年)でした。売茶翁は、それまで中国文化の模倣の域を出なかった煎茶趣味の世界に、独自の方向を示しました。

その後、江戸時代の後期になると、文人たちの自由な茶の一方で、煎茶にも、一定の形式や礼法を定める「煎茶道」が確立され、従来の茶道と同様に、家元制度による流派 が生まれ、現在、全日本煎茶道連盟には、39の流派が加盟しているほか、連盟に非加盟の小流派も多数あり、流派が乱立している状態が続いています。

★ 煎茶道のお道具 ★

上記のように、煎茶道には多くの流派があるために、お道具も、それぞれ流派によって違います。

一般的なものは、下のような涼炉と呼ばれる炉に、ボーフラと呼ばれる素焼きの急須でお湯を炊き、湯冷ましに取ってお湯の温度を冷ましてから、茶葉を入れた急須にお湯を入れてお茶を出し、小さめの煎茶碗に移して、錫製の茶托に乗せて、お客に出します。



ただ、元々、「自由な精神」から成り立っていますから、自分流を作っていいわけですので、私も、自分流のお道具を考えてみることにしました。私は、中国の大陸式の青茶用の茶器セット を持っていますので、多くは、それが使えそうです。基本は、小笠原流にしたいと思っていますが、やっぱり、自分流かな?(笑)

 小笠原流のお道具

煎茶道は、中国の明から入ったこともあって、中国茶の作法に似ていて、使う道具も似ています。(「中国茶器いろいろ」参照)

 中国茶器セット

まず、茶海(ちゃかい)と呼ばれているピッチャー湯冷まし)は、中国茶セットのものが代用できそうですが、下のものは、茶壺から一旦受ける茶海で、釜からのお湯を冷ますものではありません。

 湯冷まし

こちらは、中国茶でも使う耐熱ガラス製の茶海(ピッチャー)です。



ガラス製の場合には、お湯の温度の下がり方が、陶器の場合よりは少ないので、湯冷ましには、少し長い時間待つことが必要です。

そこで、かつて備前焼祭りに行った際に買って、全く使っていない備前焼の片口がありますので、これを、湯冷ましに使おうと思います。丁度良い大きさだと思います。実は、この片口は、冷酒を入れるのに買ったのですが、口の具合が良くなくて、お酒がうまくぐい呑みに注げないという理由で使っていませんでした。(笑)



建水は、中国式の茶船(ちゃせん)が使いやすそうですが、後の掃除も大変ですし、やはり、少しだけ形式にこだわって、茶道で使うエフゴ型建水にしようかな?と思っています。

 茶船

 唐銅建水

茶合(ちゃごう)(茶葉の量を計り、急須に入れる道具)は、中国茶器セットのものが使えそうです。



は、南部鉄瓶と、私が考案して作った置き炉を使いたいと思います。





として使ってもいいですし、ボーフラ(この名称は、形状がカボチャの実と似ていたために、元々は、ポルトガル語で「カボチャ」を意味していた単語「abobora」が転用されたという説が有力である。)のような使い方もいいですよね。IHを使っていますので、実は、80度や、60度に温度を設定することも出来ますので、湯冷ましもいらないんですが、それでは、風流がありませんから、沸騰させて止めることにします。(笑)

そして、どうしても、手に入れたいのが、宝瓶(ほうひん)という特殊な形をした急須、錫製の茶托(ちゃたく)、一文字盆(煎茶を運ぶための細長いお盆で、小さな煎茶のお茶碗がちょうど五つ並ぶ。そして長さは1尺2寸。)で、こちらは、別途ゲットしたいと思っています。
                                               (記 : 2014年9月24日)
追記 :

備前焼の宝瓶を入手しました。「金重陶弘作・備前焼の宝瓶」をご参照ください。



尚、宝瓶と、湯冷ましは、同じやきものが、相性が良くオススメということですので、備前焼の湯冷ましと合いそうです。
                                              (追記 :2014年9月30日)

追記 2:

古錫の茶托と、一文字盆を入手しました。「古錫の茶托と一文字盆」をご参照ください。





                                            (追記 : 2014年10月2日)
追記 3:



こんな感じになりました。茶合については、「斑竹製の茶合」をご参照ください。
                                            (追記 : 2014年11月8日)

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